文字なし、文化を伝える絵本
私がかつて通っていた幼稚園から、卒園記念に頂いた古い絵本です。
もう販売していないだろうと検索してみたら、今でも楽天などで購入することができるようでビックリしました。
「おふろやさん」
著者:西村繁男
出版社:株式会社福音館書店
文字/なし
読んであげるなら/約5~10分
ページ数/32p
この絵本はずっと実家に眠ったままになっていたのですが、息子が4才くらいになった時に見せてみたら、絵をじっと見つめて興味深そうにしているので自宅に持ってきました。
毎日、夜寝る前に絵本2冊読むのが我が家の決まりなのですが、この絵本は読んであげるべき文字がありません。なのでページをめくりながら、ここはどこだろうねぇ、とか、何してるんだろうねぇ、などと問いかけたり、これなあに?と問われて答えたり、絵を観察して問答する感じになります。
今では珍しくなった銭湯を描いているのですが、子どもには新鮮に映るようです。登場人物の表情はもちろん、壁に貼られたポスターや蛇口など細かい部分まで見ています。スーパー銭湯へ行く前や、お宿に泊まる前、公共のお風呂でのマナーをやんわり教えるのにも役立つと思います。
銭湯文化を伝える、良い絵本のひとつです。
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小鉄のための時計絵本
「でんしゃでおぼえる! とけいえほん」
著者:レイルマンフォトオフィス、交通新聞サービス株式会社
出版社:交通新聞社
鉄分/★★★★★
文字数/多め
読んであげるなら/約15~20分
ページ数/24p
小鉄ちゃんが、電車に乗る経験を積んでいくと、何番線だとか、時刻表、電光掲示板、時計など駅の構内にある物に興味を持ち、やたらと数字が書いてあることに気づく時がくるでしょう。気が付いた時がチャンス。
何番線にくるかな?何両編成か数えてみようか。
次は何時に来るよ、あと3分だよ!この駅からこの駅、何分かかるんだって。
数字、特に「時間」をふんだんに使って話しかけましょう。
ぼんやりと、どうやら決まった時間に電車は動いているらしい、という事が分かってきた様子でしたらこの絵本の出番です。
自分でぐりぐりと動かせる時計がついています。長針と短針は連動して動くので、朝~昼~夜という、ひとつながりの1日の流れも理解しやすいと思います。息子がぐりぐり動かし続けて1年くらい、時計が読めるようになりました。電車様様です。
音が出るタイプではないので、持ち歩いて実際に駅で電車の時間を示して教えたり、ファミレスに持っていって料理が運ばれるまでの時間、少しだけお勉強のつもりで読んであげたりしていました。お食事のできる観光列車、寝台特急など、色んな電車が出てきます。読んでいると、旅に出たくなります。
コロナになる前は毎年、東急電鉄さんが夏休みスタンプラリーをやってくれていましたが、去年からはそれどころじゃありません。早く安心して電車に乗せられる日が来ます様に。
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SL絵本の紹介と、SL乗車体験談!
「はしれ!みんなのSL」
著者:溝口イタル
出版社:交通新聞社(でんしゃのひみつ)
鉄分/★★★★★
文字数/多め
読んであげるなら/約15~20分
ページ数/32p
溝口イタルさんのSL絵本。でんしゃのひみつシリーズは、これまでのような表面上の格好良さだけを取り上げた電車絵本とはちょっと違い、「仕組み」「作り方」「ルール」などが分かるように描かれています。
この絵本内では、SLはなぜ走るのか?がかなり詳しく、しかし子どもにもとっつきやすい絵で説明されているのですが、大人の私が読んでも、ボイラーで暖められた蒸気がなぜSLの動力になるのか、いまいちピンと来ていません。なので息子もボンヤリとしか理解していません。これは…物理学…?仕組みって、むずかしい。
ただ、この絵本を読んでからSLへの興味が深くなったみたいです。この絵本で出てくるSLのモデルになっているのは、実際に北関東を走る秩父鉄道のSLパレオエクスプレス号。
息子は春休みに実際に乗車してきました!見て見て!本物よ! ↓
駅に入ってくるときに鳴らされた汽笛が想像以上に大きすぎて、最初はビビっていましたが、 客車に乗ってしまえば音も煙もほとんど気になりませんでした。乗り心地は快適。
秩父鉄道は羽生から三峰口まで、埼玉県を横断するように走っているローカル路線です。SLは土日や夏休みなど限られた日程での運行、しかも一日に一往復だけですので、乗車を検討される場合はまずホームページで運行情報を確認するところから始めましょう。運行区間は熊谷から三峰口です。
せっかくだからと言って全区間乗りたくなりますが、子連れには結構しんどいかもしれません。そもそも、運転スピードがかなりゆっくりです。飽きちゃう子もいると思うので、オヤツやお弁当を持ち込むのが良いでしょう。
子連れにおススメなのは、熊谷~寄居間の乗車です。停車駅は少ないですが、約50分間で下車となりますので、オヤツ食べてうたた寝するくらいで着きます。息子4歳には、ちょうどいいくらいでした。
ちなみに熊谷~三峰口までの全区間乗車の場合、2時間半かかりますよ。
↓ 熊谷駅にて
動輪、大きい!と見入っていました。
煙もくもくにも感動していました。
絵本で見たものに実際乗れるって、うれしいですよね。いい体験になったと思います。夏休みなどにいかがでしょう。
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出産祝いにあげたい絵本
「はらぺこあおむし」
著者:エリックカール
訳:もりひさし
出版社:偕成社
文字数/少ない
読んであげるなら/約5分
あまりに有名な絵本の一つです。最近友人に子供が生まれたのですが、まだ持っていないというので新品をプレゼントしました。(写真の絵本は息子が散々読んだものなのでボロボロですね)
0歳から読んであげた絵本は、親としてもすごく思い出に残るものが多いです。特に繰り返し読んだもの、繰り返し読まされたもの。
エリックカールさんの絵本の魅力の一つは、間違いなく視覚に訴えてくる色使いでしょう。ですがそれに加えて、はらぺこあおむしは、穴が開いていたり、ページが小さくなっていたり、触れる絵本として作られているので子どもが夢中になるのだと感じています。
息子もこの本が大好きで、絵を見て触って、かじって、音読の声を聞いて、五感をフルに活用させていました。そのうち自然と、声に出してくだものを数えたりもしてました。
布絵本も出ているのですが、今回は絵本と布絵本をセットでお祝いに送りました。布絵本はベビーカーに括り付けておくと、さわったりしゃぶったりして、ぐずり防止にも役立ちます。
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2歳の小鉄が携帯すべき電車本
「おだきゅうのでんしゃ」
こどものほん スーパーのりものシリーズ
出版/交通新聞社
ページ数/16p
鉄分/★★★★☆
<この絵本のポイント>
息子が1歳とか2歳、まだベビーカーに乗っていた時に大活躍した電車本です。携帯に便利なサイズ感。飽きたりグズッてきたら、とりあえずこの本を見せてました。厚紙ですから頑丈。
このタイプの電車本、鉄道各社の車両がまとめて掲載されています。こども向けにしては車種(3000系とか6020系とか)が記載されていたり、本気の鉄分情報も盛り込まれているので、最初はただ写真を眺めて満足しているだけでも、4歳5歳になって車種のことが段々わかってくると、向こうから走ってきた車両を見て「あ!3000系だ!」とか言うようになったりします。興奮して大声で車種を言うので、周りから注目されます。これぞ小鉄です。
ちなみに息子は東急電鉄ラブなので、小田急だけでなく東急も持っています。関東の私鉄ごとに出ているようですが、関西でこのような電車本が出回っているのかは知りません。関東の私鉄近隣にお住いの小鉄は、一冊持っておくと便利でしょうね。
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イヤイヤ期に活躍した本
友人の子供が2歳半なのですが、今日はこんなことでゴネた、今日はこんなことで泣き喚いたと、度々メールが送られてきます。
激しいイヤイヤ期に苦戦するお母さんが続出することもあり、魔の2歳児ともいわれますよね 。私も苦戦した一人です。
公園から帰りたくないと泣く、ごはんのメニューが思ってたんと違うと泣く、おもちゃが上手に動かせないと怒って泣く、自分でやりたいと泣く怒る、こうじゃないとなく、あーじゃないと怒る、ということが、エンドレスな日々ね。こっちも心をえぐられ続けて疲弊します。
このイヤイヤ期、絵本に助けてもらえたらいいのに!と思って買ったのがこの本でした↓
「いるよね~!こんなこ」
著者:たかいよしかず
出版社:主婦の友社
文字数/少ない
読んであげるなら/約5分
<この絵本のポイント>
ブブタというキャラクターが出てくるのですが、一方からめくるとイヤイヤしているブブタ、もう一方からめくるとすごいね!と褒められて気持ちよがってるブブタが現れ、両面から対象のテーマで読むことができるという仕掛けの絵本です。
2歳児って本人も訳が分かっていないのに色んな要求を口にしている面があります。気持ちの整理をつけてあげる、気持ちに名前をつけてあげると、段々とただの「嫌だ」から「こうしたい」「こうじゃないと嫌」「これ自分でやりたい」と、徐々に要求を具体的に言語化できるようになってきます。その際、べつに泣かなくてもいいんだ、ということも繰り返しの体験から学んでいきます。
でも一朝一夕にはいきませんので…とにかく、「忍耐」ですよね。
絵本の中では、公園から帰りたくないと泣いているブブタ、自分でやりたいと泣くブブタなど、ブブタがイヤイヤ期あるあるを体現しています。落ち着いている時にはもちろん、泣いている時にも絵本を見せてみてはいかがでしょうか。ハッとする瞬間が来るかもしれません。
そして、よくできたときは、すごいね~、と褒めることもお忘れなく。
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食育って大事かも、と思える絵本
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「ホットケーキ できあがり!」
出版社:偕成社
文字数/多め
読んであげるなら/約10~15分
ページ数/28p
<この絵本のポイント>
「はらぺこあおむし」でおなじみの、エリックカールさんの絵本です。息子が3歳くらいの時に購入しました。
ホットケーキを作るお話ですが、作ると言っても小麦粉と卵と牛乳と…、という材料あつめをするところからではありません。材料“づくり”からやるのです。
例えば小麦は、畑へ行って麦を刈りとり、もみ殻を叩いて落とし、最後は石臼で挽いて小麦粉を作ります。卵はめんどりからいただき、牛乳は牛の乳をしぼって手に入れる、といった具合。今の生活ではほとんどありえないですが、手間と時間がかかる自給自足をしてますね、主人公は。買えば済むとか、本来なら「食べる」って、そんな簡単なことではないんですよね。子供にどこまで伝わっているかは謎ですが、食の根っこのところを描いているなぁと一緒に読んでいて感心しました。
で、主人公の食べてるような、でっかいホットケーキが食べたいと言うので、フライパンいっぱいのホットケーキを作りました。
イメージはこれです。
実際はこちら
ホットケーキミックス300g分くらい。絵のようにヒョイとはいかなかったので、皿で受け止めてひっくり返すとか、面倒な作業を挟みながらやっと作りました。
お腹いっぱいに食べられて、息子も満足だったようです。今日も当たり前に食べられることに感謝。